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201810.09

一日の閲覧回数6.7億回!?メディアを知り尽くしたプロが語る中国人の集客とは

訪日外国人が年々増えている昨今。中でも圧倒的に多いのは中国人観光客です。

中国は文化的にも同じアジアとはいえ違う部分も多く、集客の観点でも「興味はあるけど、どうしたらいいのかわからない」方も多いのではないでしょうか。

今回は、9年以上、対中国プロモーションを中心に行い、中国No.1メディア「大衆点評」のオフィシャルパートナーとして企業をサポートする、JCConnect株式会社 取締役会長 井上勉さんに、中国人観光客の集客について伺ってきました。

中国のインターネット事情により必要な手段とは

―増え続けている中国人観光客の傾向を教えてください。

― 井上
中国人に対するビザ発給要件の緩和が2015年から開始されました。なので、各国いかに中国人観光客を増やしていくかというところに躍起になり、中国において海外旅行ブームというのが起き始めたんです。

他にも、中国人の個人旅行が増えた理由は、旅行社管理条例「旅遊法」の施行もありますね。
それに伴い、団体旅行から個人旅行へと変わり、リピーターが増え、ツアーで組み込まれていた観光スポットやホテル、ショッピングや食事などを自分達で探すということに変わってきました。

TwitterやFacebookなどのSNSを閲覧することができない中国ですが、個人旅行に変わってきた近年、どうやって他国の情報を調べているのでしょうか。

― 井上
それは、中国独自のメディアです。
我々が関わってきている中国版のTwitterといわれる「微博(Weibo)」や中国版Lineといわれる「WeChat」、そして今力を入れている中国版トリップアドバイザーといわれる「大衆点評」になります。

旅マエ・旅ナカ検索が当たり前になった現在、日本のお店やスポット検索など、これら中国独自のメディアで情報収集をしているんです。
なので、中国語のWebサイトをつくったり、旅行者向け情報サイトへ掲載したりしても、それでは見られないのが明らかですよね。

日本は海外のサイトも閲覧できるので調べるメディアは多くありますが、中国では制限をされているので、中国独自のメディアへの掲載がビジネスチャンスということになるんですね。

― 井上
そういえば中国で特徴的なことといえば、日本でも展開している割引クーポンですね。
割引クーポンを展開しているお店は中国でも多いのですが、70%OFFや80%OFFという高い割引率で提供しているんです。
なぜかというと、ちゃんと目玉をつくって集客につなげるということなんです。

例えば、飲食店の場合、1万円のコース料理を特別に70%OFFにしますというクーポンがあるとします。
それは、分量を減らした同じコースメニューを用意し、本来1万円のコースを割引した3000円分のコース料理を提供しますよっていう見せ方をするんです。
まず、試してほしいのでご来店くださいということなんですよ。

日本ではあまりないクーポン訴求で驚きです。

日本の場合だと、5,000円のコース料理を同じ分量で20%割引の4,000円で提供しますというクーポンの出し方をしているお店が多いかと思います。

中国のクーポンの場合は、分量はお試し分ではありますが、別のメニューも注文いただけそうですし、1万円のコースを試せるというお得感があじわえそうです。

中国も日本と基本変わらないが、口コミを非常に重視する傾向

―「大衆点評」をはじめとする中国独自のメディアを使って、旅行プランを考えているのはわかりました。そのメディアをどう活用しているのでしょうか。

― 井上
中国においても、日本と同様、口コミやレビューを読んでその店の情報をインプットしています。日本の消費者も、食事するお店を何処にしようと検索しますよね。また★の数とか、口コミやレビュー、写真もチェックします。そこは、日本も中国も変わりないです。

ただ、中国のTVやCM、ニュースメディアは、政府の許可を得られないと放送ができないルールがあるので、人の体験談やレポート、KOL(Key Opinion Leader)といわれるインフルエンサーが他のメディアよりも大きな影響力をもっています。

だからこそ、それらの口コミなどの投稿をすごく参考にしています。

また中国の特徴として、SNSやそういう口コミサイトへの投稿頻度が高いことがあげられるそうです。よって、より一層いい店とそうでない店で大きな差が生まれます。
口コミサイトを制するものが、中国インバウンドを制する……のかもしれません。

訪日外国人がピークとなるであろう2020年をゴールにしてはいけない

―口コミが重要ということで、「大衆点評」が非常に有効なことはわかりました。今後の展望をお聞かせください。

― 井上
「大衆点評」は、日本では考えられない月間アクティブユーザー数で、日本人口の倍以上である約2億9千万人となります。

飲食店はもちろん、ショッピングや体験できるスポットの集客を目的としている店舗登録が可能です。中国観光客の約45%が使っているメディアなので、単純に計算してもすごい人数にリーチができます。

現在、登録いただいている日本の店舗は、無料版も含めて約60万件位です。
ですが、公式登録をしていただけると上位表示をされるので、ユーザーに知ってもらえてアクセスをしてもらえます。
登録数をさらに伸ばし、訪日中国人の消費に貢献でき、訪日外国人を集めるための一端を担えるように取り組んでいます。

JCConnectは大衆点評の本社(中国)と連携しているので、中国人にささる登録文章などのアドバイスやその後の運用もサポートしていただけるとのこと。中国を知り尽くしているだけあって安心ですね。

― 井上
中国に限らず訪日外国人の集客において、まだまだ先だと思っていてはだめですね。
あっという間に2020年。その頃の影響を想像し今のうちに準備やアクションをしていかないと、訪日外国人旅行者に知られずに2020年を迎えることになってしまいます。

中国においても、観光客が多く来られるタイミングも最大で年4回くらい、2020年まで数える程度ということです。
2020年には、多くの異国の方が足を運んでいただけることは想像できますが、向かい入れる日本側としてビックチャンスが来ることをどう活かしていくのか、考え取り組んで欲しいと思います。

今日本が問題としている少子化、高齢化、労働人口などは簡単に解決できることではないので、生産性を高めるには外国人に頼ることが必要ともいわれています。
「アウトバウンドでモノを販売していくこと、インバウンドで海外から人を呼んでいくことを増やさなければならない」と語っていたのが印象的でした。


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