優秀なセールスには共通点があるらしい……よく聞く話ですが、本当でしょうか?
ビジョンにはいろいろな事業部があり、それぞれの事業部が異なる商材を扱っています。
ならば、それぞれの事業部のマネジャーに「優秀なセールスって何ですか?」を質問すれば、何か共通点が見えてくるのではないか……?
ということで、ストレートにうかがってきました。
(左から順に)
四ノ宮彰人:2008年入社。ソフトバンクの法人携帯販売からキャリアをスタート。現在はビジネスフォンを主に扱う BNS事業部 次長。
小澤優:2008年入社。四ノ宮さん同様ソフトバンクの法人携帯販売からキャリアをスタート。2014年からホームページ制作などを請け負うインターネットメディア事業部に所属。現在は同事業部 次長。
島田祐輔:2005年入社。OA事業部→回線系事業部に移り離職するも、復職し現在はコピー機を取り扱う OSS事業部 次長。
フリーランスのライター。企業のビジネスの仕組みやそれを回す組織づくりに非常に興味がある。
今回は一部上場を果たしたビジョンの秘密を聞きにやってきた。
同じ目線に立つことで生まれるコミニュケーションと提案
―いきなりですが、優秀な成績をあげるためにセールスに必要なものってなんですか?
それは2つあると思います。ひとつはコミュニケーション。
よく営業配属の新人に「君、友達いる?」と質問するんですが、「います」と答える人には「だったら君、営業できるから大丈夫だよ」と言っています。
友達もお客様も最初は赤の他人。そこからコミニュケーションをとって仲が良くなっていく。
大きな枠組みで言えば、友達との距離を縮めるのもお客様と距離を縮めるのも差異はないとのこと。強いて言えばビジネスだと、そこに敬語やマナーが加わるだけなんだとか。
営業だからと言って、特別に身構えることもなく、相手に好意をもって接し、臆せず飛び込めばいいということですね。
もうひとつは提案力です。ただこれも難しいことと捉える必要はなし。
幼いころに「何して遊ぶ?」「祭りに行かない?」なんて、グループの中で発案していたと思うんです。それの延長ですね。
つまり、営業に必要な素質という意味でいえば、多くの人が「できる営業」になる素質は持っていると思います。
話を聞きながら、確かに昔は小さい提案をしていたな……なんて思い返してしまいました。深く考えると「営業力ってなんだろう?」と思ってしまいますが、単純化すると腑に落ちます。
ただ子供のときの遊びの提案と大きく違うのは、ビジネスでは提案するだけでなく、具体化までがミッションだということ。
具体化するためには、自分勝手な想像で提案するのではなく、お客様の声を聞き、ヒントを得て、カタチにする必要があります。
お客様の話をしっかり聞ける人は、提案力もついてくるとのことでした。よく聞く話ではありますが、何事もまず、相手の話を聞くというのが大切なんですね。
コミュニケーションも提案力ももちろん大切ですが、私は「お客様と同じ目線にたつ」ということも大切だと思います。
自分目線では、正しく要望を聞き取ることはできませんからね。
そうですね。そのうえで、お客様が損なものは損と言ってあげる。
精選して、お客様に有益になるように提案することによって信頼が得られると思います。
確かに。なんでもかんでも勧められると、それが本当でもダマされている気がしてしまいます。
できる営業というと、どうしても押しが強い人が思い浮かんでしまいますが、相手の立場になって、何が最適なのかを考える。
目先の成果ではなく本質的な成果にこだわる事が、長期的にビジネスを発展させていくコツなんですね。
まずは、「お客様目線に立つ」ということが、優秀なセールスマンになる第一歩ということなのかもしれません。
戦うためのフィールドがあれば、誰にでもできる?
―お客様目線に立って、しっかりとコミニュケーションをとって提案する……。言うは易し行うは難しのような気がしてしまいます。。
そこまで難しくはないと思いますよ。島田も言っていましたが、誤解を恐れずに言えば、営業は誰にでもできると僕も思います。
ただ「誰でもできる」環境を作るのが、組織としては大変なんです。
ここでいう“環境”というのは「お客様と会う予定がすでに用意されている」ことを指しています。
そうなんですよね。営業で一番つらいのは今日のスケジュールが何もないことです。
ビジョンでは、自社サイトからの問い合わせやエスカ(営業が担当したお客様のニーズがある商材を扱う他の部署を紹介する仕組み)によって、ある程度環境が用意されているんです。
当たり前ですが、商品を買ってもらう為には、お客様に会えなければ営業することもできません。
お客様に会える状況を継続させていく。実はこれが一番難しいんだとか。
なるほどなるほど。各企業によって営業という人の仕事の幅は違うと思いますが、お客様のところに伺い、商品の交渉をするのが営業とするならば、そもそも打席に立てていないと話にならないですもんね。
独立してよく失敗する人がいるのですが、そういうコトなんですよね。
勘違いしちゃうんですよ。かつて営業成績がよかったもの、すでに営業できる環境があったからこそ成果が出せてたということに、気づけなかったんです。
環境を作り続けるのは、個人のチカラだけでは大変です。ただ、ビジョンが示しているのは、組織で仕組化することは可能ということ。
やはり、一人でできることは限られています。業績を伸ばしたいのであれば、個々の努力はもちろんですが、しっかりと組織化できているか。というところがキモなんですね。
常にがんばることでチャンスがもらえる
―ビジョンでは環境を用意してくれる。ということは、みなさん好成績で横並びといった感じなんですか?
いえ、やはり差はありますね。さきほど話にもあがっていた
- コミュニケーション能力
- 提案力
- 相手の目線になって考えること
が普段の生活の中で意識できているか。ここが大きなポイントなんだと思います。営業のときだけに使うスキルではないですからね。
あとは負けず嫌いな人が上にあがりやすいですね。
ビジョンでもセールスに順位をつけているんですが、高順位のセールスにはいい案件がくるような仕組みになっています。
いい案件は、一番実績のある人にまわして確実に成約したいですからね。
つまり、下から上にあがるためにはある程度ハードな案件を成約に結び付ける必要がある。負けず嫌いな人はそこで踏ん張れるんです。
成績トップのセールスは、いい案件が回ってくる。すると、必然と成約数も出しやすくなるため、翌月もトップになることが多いそう。
ただ、一番下の人から不満はあがったりもしそうですが……。
新人が良いアポイントをもらえるかというと、そんな効率の悪いことはしませんよね。
全員に下積み時代があって、結果を出した人が上にあがっていくんです。
みんな、上のポジションを狙っています。例えば、2番手に振ったとき1番手より良い成果をだすと交代になったりとか……。そういったところは、かなり実力主義です。
「これちょっと厳しいかもしれないけど、頑張って行ってきて」っていうのが成約に結びついたとすると、だったら次は良いアポイント振ってやるか。といった感じですね。
その実力主義な社会で、「上に上がってやる!」という意識が持てるかどうかは、重要だと思います。
ポジションが上がったとしても気を抜いていると下からの押上げでいつ交代させられてもおかしくない。完全な実力主義。
こういった環境で切磋琢磨することで、「できる営業」になっていく……のかもしれません。
まとめ
途中で話が少しそれてしまいましたが、「できる営業の共通点とはなんなのか」をまとめると、
- コミュニケーション能力
- 提案力
- 相手の目線に立って会話ができる
- 負けず嫌い
という、正直なんともふわっとした感じ。
普段の生活の中でも何気なく使っている能力ではありながら、全てを兼ねそろえている人は確かに妙なきがします。常に意識しているか、そこで差がでてくるのかな、と。
そして、会社として営業の能力を高めて活かせることはもちろん重要ですが、営業ができる環境を作りだしていくことが同等に大事という話もありました。
環境があるからこそ、日常から営業で使えるスキルを強く意識できるのかもしれません。またひとつ、勉強になりました。