いまや言うまでもなく企業が持っていることが当たり前になっている『webサイト』。
数年前からすると考えられないぐらい、webサイトはインフラ化し、以前にも増してweb担当者の役割は重要になってきています。
ただ、その分いきなり担当者に任命されることも多いようで「web担当者にいきなり任命されたけど何やればいいんだろう……」という話もよく聞きます。確かにイメージが湧きにくいですも
んね。
ビジョンでは多くの商品を扱っているため、その分webサイトも多くなっています。つまりweb担当者の数も多い。ノウハウも溜まってるそうです。
そこでビジョンのさまざまなwebサイト運営の統括をされている、ビジョンのWEBマーケティング事業部次長の今井さんにweb担当者に求められるスキルなどなどを聞いてきました。
フリーランスのライター。企業のビジネスの仕組みやそれを回す組織づくりに非常に興味がある。
今回は一部上場を果たしたビジョンの秘密を聞きにやってきた。
自社のサービスは自分たちが一番知っているのが当たり前
―自社サイトを自社で運用している会社はどの程度あるのでしょうか。
専門のweb担当がいるかどうかは分からないんですが、何かしらの担当はいると思います。
なぜかというと、業者さんに丸投げでwebサイトを運用するのは、あまり効率的じゃないんです。なぜかというとサービスを知らないから。
考えれば当たり前ですが、サービスを知らない限り、webサイトにはコンテンツは作れません。というより、コンテンツは作れるかもしれませんが、お客さんに刺さるコンテンツは作れない。といった方が正しいでしょうか。
なのでサイトを作るときも、営業マンや、営業商材を知っている人が窓口になって、サイト制作会社と打合せをして……というフローを経てサイトが出来上がることが多いんだそう。
実際運営するときも、商品サービスの営業責任者と蜜に話をして、これからどんなコンテンツをつくるか、どういう攻め方をするか、こういう方針でやっていきたいんだというのをふまえて、webサイトを修正・更新しています。
webサイトの担当者と営業。はたからみると少し距離がある存在に見えますが、結構密接にやりとりをしているんですね。
web担当者に求められる3つの視点とバランス感覚
―いろいろな人が絡んでいると、どの人の意見を重視するべきか。なんてところで非常に苦労しそうです……
確かにそういう苦労もあります(笑)
たとえば、webサイトを見る目線って3つに分けられると思うんです。営業目線と顧客目線とWEBサイト目線という3つですね。
もちろん、顧客目線を重視するのですが、他の視点からも考えておくことは大切です。
たとえば営業部は、お客様からいかに粗利をとるのかということばっかりに考えがいってしまう。web制作者は工数を少なくして利益を上げたいと思うから、あまり手の込んだ施策は打ちたがらない。
これは一例ではありますが、それぞれに違うミッションを持っていますし、それぞれが立場としては間違ったことを言っていないことも多いそうです。
ただそのことを理解できないと、どうしてもプロジェクトがいいように動きません。実際他社さんの事例でもけっこう聞きますもんね。
この3つであれば、顧客目線を意識しよう!というのが一般的かもしれませんが、実際には現場でものごとをすすめるにあたっては、スムーズに行かないこともある。確かに、3つの目線で考えるといろいろスッキリ見えてくるかもしれません。
webはあくまでもマーケティング手法のひとつ。もっともっとやれることはある
―web担当者はどういった意識で望めばいいのでしょうか
webってあくまでもマーケティングの手法のひとつなんですよね。
いろんな人がマーケティングって何なの?っていうけど、これまでに一番響いた言葉が「売れ続ける仕組みをつくること」という言葉です。
web担当者になったからにはマーケティング全体のことを考えて欲しい。だから、web担当者だからといって、webだけの施策を考えていてはダメ。もっともっと上位概念で、「売れ続ける仕組み」を作るために何ができるか?を考えるべきだと今井さんはおっしゃっていました。
実際、今井さんのチームではweb以外のことでも、売れ続ける仕組みを実現できそうなことは幅広くやっているんだそう。
たとえば業務管理と営業の調整、なんていうのもやっているんだとか。これは他の会社ではなかなかみないことかもしれないですね。
web担当者は成長のチャンスがいっぱい
ビジョンでは各商品に、1人webの担当者がいます。中には役職のない一般社員の担当者もいます。
さきほどお話したようにwebの担当者になると、一般社員の子でも、営業部の責任者とコミュニケーションをとってやる必要がでてきます。
経験不足で話が噛み合わない……なんて相談も実際受けるんですが、その分成長できる機会も多いはずです。
しかも仕事の特性上、新しい情報は入ってきやすくなる上に、社内外多くの職種の方と接することになりますから、知識も広がり、かなり価値観も広がると思っています。
確かに、堂々と責任者と話に行ける権利を持っていると考えれば、web担当者というのはすごく成長のチャンスが大きい役割なのかもしれません。
今回の話の中で、一番今井さんが強調されていたのは「営業とのコミュニケーション」。
自分がいまやっている仕事は誰の何のためか? をブレイクダウンしていくと、必ず営業に当たるんですよね。
ただ、それが縦割りの組織になっていると、どうしても意識しにくい。大事なことは目的が何なのか、を強く意識することだと感じました。
目的から逆算して、自分の役割を考えていくからこそ、「web担当者といえども、webだけにとどまらないで欲しい」なんて今井さんの言葉もでるのかもしれません。
非常に勉強になりました。
今井さん、ありがとうございました。