社会人になったばかりの新卒社員が、最初に見に付けるべきマナーの中の一つとして、電話対応がありますよね。
電話対応は、会社の印象を大きく左右するので、失礼のないよう、しっかりとマナーを心得ておきたいものです。
今回の記事では、新入社員がやりがちな電話対応NGマナーを5つ見ていきましょう。あなたはこんな電話対応、していませんか?
【その1】「もしもし」はビジネス電話ではNG
「もしもし」は、カジュアルな電話で一般的に使われる挨拶ですが、ビジネスシーンにおいてはNGです。
「もしもし」はもともと、「申す申す」を略した言葉。略語を目上の相手に対して使うのは失礼だという考え方から、ビジネスの電話では使われません。
社会人経験の長い人のなかにも、「もしもし」をビジネスの電話で使ってはいけない理由を知らなかった、という人は多いかもしれませんね。
ビジネスの電話を取るときの最初の一言は「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇〇です。」がよいですね。先方の名乗りの後は「お世話になっております。」といった挨拶から始めるとよいでしょう。
【その2】「お名前を頂戴してよろしいでしょうか」は誤り
相手の名前や電話番号を聞くときに使いがちな「~を頂戴する」という表現ですが、実は正しい日本語ではありません。
「頂戴する」は、そもそも「受け取る」という意味。ですが、名前や電話番号は、相手から「受け取る」ものではありませんよね。
名前や電話番号は「尋ねる」ものです。したがって、正しくは、「尋ねる」という意味の尊敬語「伺う」を使い、「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」となります。
【その3】「お声が小さくて聞き取れません」は失礼な言い方
相手の声が聞き取りにくいとき、「お声が小さくて聞き取れません」というのは、聞こえにくいことを相手のせいにしている失礼な言い方です。
「お電話が少々遠いようです」と言うのが正しいマナーになります。
【その4】敬語の使い方に注意
電話に限らず、ビジネスシーンでは敬語の使い方に十分注意する必要があります。以下で、電話でやってしまいがちな誤った敬語の使い方をチェックしていきましょう。
電話相手の名前を復唱して確認するときに
「山田様でございますね」
「ございます」は丁寧語のひとつですが、相手を敬う尊敬語ではありません。正しくは尊敬語の「いらっしゃいます」を使い「山田様でいらっしゃいますね」となります。
名指し人である上司の不在を伝えるとき
「佐藤部長はただいま外出しております」
「部長」という役職・肩書を名前のあとに付けると、自社の社員に対して尊敬語を使っていることになってしまいます。自社の社員は呼び捨てにし、相手に敬意を示すのがマナー。正しくは「部長の佐藤はただいま外出しております」となります。
なお、名前のあとに役職・肩書を使う尊敬語の使い方は、自社内でのみ使われるものであるという点も押さえておきましょう。
たとえば、「山田部長はいらっしゃいますか?」という電話での尋ね方は適切ではありません。正しくは「部長の山田様はいらっしゃいますか?」のように、役職・肩書+名前+様で呼びます。
ちなみに、実際には名指し人が外出していても、外出していることを先方には伝えないほうがよいケースもあります。
たとえば「少々お待ちください」と保留にしたのち、しばらくしたあと「確認しましたが、佐藤は外出しておりました」と伝えると、居留守なのではないかと相手の気持ちを害してしまう可能性がありますよね。
そのような場合は、「佐藤は席を外しております」のように伝えましょう。
伝言を承ったときに
「佐藤に申し上げておきます」
「申し上げる」という謙譲語をこのように使うと、自社の社員に対して敬意を示していることになってしまいます。「佐藤に申し伝えます」が正しい敬語表現です。
休暇を取っている社員について言うとき
「佐藤はお休みをいただいております」
休暇は会社、つまり自社からもらうもの。したがって、「いただく」という尊敬語を使うと、自社に対して敬意を示していることになってしまいます。「お休み」という丁寧語の使い方も同様の理由でNGです。正しくは「佐藤は休暇を取っております」となります。
【その5】ビジネスフォンの使い方がわからず手間取ってしまわないように
企業では多くの場合、ビジネスフォンという、内線と外線が併用できる電話機が使われます。転送や代理応答など、ビジネスフォンには一般の家庭電話では使わないような多くの機能があるため、操作に慣れないために誤って電話を切ってしまった、なんてことがあると、大変失礼ですよね。事前に使い方をしっかり確認しておきましょう。部署内で練習しておくのも手です。
ビジョンのビジネス電話総合サイト「ビジフォン.com」を参考にするのもおすすめです。ビジフォン.comは、ビジネスフォンの導入・増設、回線の手配などをメインのサービスとし、お客様にとって最適なプランを提案しています。加えて、サイト上のお役立ちコンテンツも充実。新卒の新入社員にはなじみの薄いビジネスフォンの仕組みや使い方について、詳しく解説しています。仕組みを理解することで、ビジネスフォンをより身近に感じられ、使い方もすっきり頭に入りそうですよね。
おわりに
言い回しや敬語など、新卒の新入社員がつい間違えてしまいがちな電話対応マナー。上司や先輩社員も、誤ったマナーを教えないよう注意したいものです。新入社員が入社する機会に、ビジネスフォンの仕組みも併せて学びながら、社内全体でマナーの復習をしてみてはいかがでしょうか。