あなたは、仕事にやりがいを感じていますか?
中には「いや、やりがいを感じたいから仕事をしているんじゃないよ」という人もいるかもしれません。でも、人生の時間の多くを費やす仕事や職場において、“働きがい”を感じられるということは、日々の活力にもなる大切なこと。
エンゲージメントマーケティングプラットフォームを提供する株式会社マルケトは、2017年、2018年と2年連続で「働きがいのある会社」の小規模部門ランキングに選出され、「ベストカンパニー」を受賞しました。
昨年受賞された際にも社長の福田康隆さんにインタビューさせていただきましたが、今年も同じくインタビューを敢行。昨年の受賞をきっかけに起こった変化や、現在の組織で評価できる点や改善点、マルケトの社員が考える働きがいなどについて伺いました。
今年は組織が2倍に拡大。急速な成長の中で、組織づくりのために日々大切にしていることとは
―2年連続受賞、おめでとうございます。昨年受賞されてから、何か社内での変化はありましたか?
昨年は初めてランキングに参加していきなり1位という結果だったため、少々戸惑いはありながらも、いい会社で働いているんだという実感が全社員共通で得られたのではと思います。
また、昨年受賞したときは社員数が30名ほどでしたが、今では70名になり、規模の変化に合わせて組織がどうあるべきかという議論は活発になってきましたね。
昨年の受賞時に比べて社員数が倍以上になり、会社の雰囲気やカルチャーが変化しているにも関わらず、「働きがいのある会社」として連続受賞を成し遂げるのは並大抵のことではありません。
この背景には、組織が拡大しても良い環境を維持するための心がけがあるそう。
日ごろから社員間のコミュニケーションを大切にするようにしています。部門が違ってもコミュニケーションしやすいようにオフィスの使い方を工夫したり、立ち上げ初期から在籍するメンバーと社歴の浅いメンバーが隔てなく意見を交わせるディスカッションの場を設けたりと、実験的にさまざまなことに取り組んでいます。
福田さん自身も、社員が話しかけやすいように普段からオフィスを回り、気さくに声をかけているそうです。
それが奏功し、社員から直に意見をもらうことが増えたんだとか。
今年の「働きがいのある会社」ランキングの調査結果では、「経営陣のメッセージに透明性がある、信頼が置ける」という点も評価されていました。それは、全社ミーティングを毎週開催して自分の気づきや会社の現状をオープンに伝えることを意識してきたことがつながっているのではと思います。
一方で、調査結果からは改善点も見えてきます。
はい。教育面は改善の余地を感じました。
勉強会を開催したり、会社の補助で外部の教育が受けられるようにしたりと取り組んではいますが、そもそも社員は自分自身の将来像が見えにくいという課題を持っているのかもしれないと感じました。
そこでこの4月から人材開発の専任担当者を配置し、仕事のスキルだけではなくビジネスパーソンとしての基礎力を上げる教育ができる体制作りや自身のキャリアを改めて考えるきっかけになるような座談会をスタートしたのだそう。
2月にランキングが発表されたことを考えると、この体制の変化はすごいスピードで行われています。この迅速で柔軟な変化こそが、2年連続で働きがいのある会社に選ばれた本当の理由なのかもしれません。
マルケト社員が考える「働きがい」
―採用活動において、受賞の影響はありましたか?
そうですね。去年の受賞以降、セミナーの講演や取材の機会が増え、会社のカルチャーや大切にしている価値基準を発信できるようになったので、そこに共感を持っていただくケースが増えました。
面接で受ける質問も、そこに集中することが多いですね。
マルケトを志望する人に限らず、最近は会社のカルチャーや価値観を会社選びの基準にする人が増えています。
さらにマルケトは会社のカルチャーを発信する機会が増えたため、より会社のカルチャーにマッチした人材が集まってきやすい状況になっており、好循環が生まれているのだそう。
では、マルケトで働きたいと考える人や、マルケトで働く社員さんが考える「働きがい」とは何なのでしょうか。
一言で言えば、「自分が成長できる機会がある」ということです。イコール、その会社に自分よりも優秀だと思える人がいるかどうかということが、その職場に働きがいがあるかどうかにつながっています。
会社の成長スピードが速いだけあって、社員の方も成長志向の強い方々が集まっているのですね。
最近でも、マルケトのコンサルティングを受けたことをきっかけに、自分もこんなコンサルタントになりたいと感じて入社を志望する人がいるんだとか。
また、より働きがいのある職場を実現するために、相手にリスペクトの気持ちを持って接することも大切だと日々呼びかけています。
実際にそういった環境の職場で働きたいと言う人も増えており、嬉しく思っています。今後も、同じような考えを持った人にどんどん集まってほしいですね。
これからの組織づくりのキーワードは、成長機会に目を向けること
―組織としての、今後の展望を教えてください。
30名から70名になるにあたって組織が大きく変化したように、今後社員数が70名から100名、100名から150名になるにつれて環境はどんどん変化していくと思います。
その変化の中で、できるだけスピードを緩めずにアクションするということを継続していきたいですね。
その中で、毎年の「働きがいのある会社」ランキングは、組織を運営していく上でのいいチェックポイントになればと考えているそう。
次のアクションを起こすときに大切にしているのは、課題ではなく伸びしろに目を向けるということ。私は過去の経験から、課題を解決することが必ずしも組織の成長につながるわけではないと感じています。
それよりも、どこに成長機会があるのかということに目を向けた方が、はるかにポジティブに次のステージに向かうことができる。
社員ともそういった目線を持ってもらえるようなコミュニケーションをとり続けながら会社を成長させていきたいと考えています。
福田さんが今一番おもしろいと感じていることは、自身もまだ見えていないことがたくさんある中で、少しずつ進みながら発見をしていくこと。
今いる社員全員が同じ感覚を味わい、現在のマルケト成長期の経験が将来のキャリアに役立つようにしたいと話されていました。
会社も人も、常に成長機会を見つめながらチャレンジし続けていることが、働きがいのある組織を維持すること、そして組織と人双方の成長につながっているのですね。
福田さん、お忙しいところありがとうございました。