ビジョン中本のナンバー2論
第3回: 管理職への見極め
人・組織・経営などさまざまなことについて、中本新一の「ナンバー2」目線で語る
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中本 新一
18歳のときに始めた通信サービスのアポインターから通信業界20余年。トップマネージャーとして全国の営業拠点において短期間で実績を出し続けた後、設立直後のビジョンへ参画。高品質・高生産営業体制、CRM、ニッチマーケットにフォーカスなど独自戦略を牽引し、現在の業界トップクラス情報通信ベンチャーに育てあげてきたビジョンのナンバー2。
私には、一人だけ育てたと(正確には成長する手助けをした)言い切れる元部下がいます。
たしか13年ほど前、彼が私の部下となったとき、結構な役職に付いてましたけど、彼、何にも決めれない管理職でした。
何でもかんでも僕に意見と許可を求めてくる。
ちょっと面倒なときもあったので、「自分で考えて自分で決めて」と突き放しました。
ここで重要なのは、決めたことは報告をちょうだいね、というスタンスと哲学の共有だと思います。なので考え方だけはしっかり伝えました。
でないと、ただの放置になってしまいますので。
もっと重要なのは、当たり前ですが権限を渡して大丈夫か? の見極めです。
彼、下地はできていたんですよね。それに、いいセンス持っていました。
それから、僕は彼を毎日社長室に行かせました。
用事とかネタが無いとか、情けないことを言ってきたので、昨日の業績数字の報告をしに行ってらっしゃい、とアドバイスしました。
毎日毎日社長室のドア叩いて、怒られて、叱られて・・・・・・
でも、三ヶ月後には逆に呼ばれるようになりました。
ナンバー2の皆様、
あなたの一番大事な部下がボスと直接コミュニケーションするのを見て、ヤキモチ焼いて「僕を通して下さい」とか言ってたら・・・・・・
はい、毎度同じみ昔のカスナンバー2の私です。
部下を囲っちゃダメですよ。守っちゃダメですよ。社長室のドア、叩かせましょう。
ナンバー3の頃から、トップとのコミュニケーションはナンバー2並に構築しないと、一人立ちした時に大変な事になります。
私はかつて、能力あって力もある部下を何人も失いました。
会社の従業員であって手前の手下では無いということに、本質的に気付くのが遅すぎました。
どれだけ優秀であっても、上司のバリアーから出ない人材はダメです。
出さない上司もダメでしょう。
出して無理そうなら絶対にそれ以上そのポジションから上げない。なぜかというと上げると失敗するからです。
良かれと思って守っても、かばっても、問題を先延ばしにしているだけ。
「管理職は、意識レベルにおいて経営者と同士的結合をしなければならない。」
この言葉を聞いたとき、横っ面を張られた様な衝撃を受けました。
ナンバー2の皆様、貴方だけボスと仲良くてもしょうがないですよね?
かわいい子には旅させましょう。
え? 彼とは誰かですか?
皆様にいつも大変お世話になっております、弊社の炎の取締役営業本部長、
上場のセレモニーで私と一緒に鐘をならした 大田健司でございます!
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