ビジョン中本のナンバー2論
第5回: 行動と決断と転換
人・組織・経営などさまざまなことについて、中本新一の「ナンバー2」目線で語る
前回までの記事はこちら
中本 新一
18歳のときに始めた通信サービスのアポインターから通信業界20余年。トップマネージャーとして全国の営業拠点において短期間で実績を出し続けた後、設立直後のビジョンへ参画。高品質・高生産営業体制、CRM、ニッチマーケットにフォーカスなど独自戦略を牽引し、現在の業界トップクラス情報通信ベンチャーに育てあげてきたビジョンのナンバー2。
さて今回は、私が社内No.2の立場で最も大事と考えていることについて書いてみたいと思います。
それはずばり「スピード」、即ち行動の速さ、決断の速さ、切り替えの早さです。
私からこれを取ったら何の価値もない人間だと常々思っています。もちろん速度を重視したが故に失敗した側面もあるのですよ。
まずせっかちなのでミスが多い。
なぜか騙されやすく、すぐに人を信用してしまいます。
やると決めたら回りを巻き込んだとしてもとにかく即座に行動にとりかからずにはいられない(周辺にも迷惑掛けてますが仲間に恵まれているなと思います)。
ですが、そんなものは切り捨てるか、あとで取り返せばいいと考えています。
余談ですが運だけは強いので麻雀はそこそこ打てます。ただ将棋はど素人。そんな人間です。
ちょっとこのあたりのエピソードをいくつかご紹介しましょう。
弾丸ホノルル
軽めのものからお話しますと4年前の夏、グローバルWiFiのアメリカ用端末の在庫が枯渇し、ちょっとだけピンチな状況でした。
そんな昼下がり、社長から社内SNSにこんな共有メッセージが・・・・・・
「今日誰かホノルルまで在庫取りに行ってきてくれない?」
今日!?
サラッとヘビーな指令には慣れっこですが、さすがに少し面食らいました。それは認めます。ただ切り替えは早かったと思います。
自分が行くことになるだろうというある意味明確な予感と共に支度をし、全てのスケジュールも調整しました。
20分後、
「私、行ってきます」その日の夜には成田からホノルルへ。
私が普段から愛用しているカバン、大きくて持ち運びに不便な点もありますが、いつでもどこへでも行けるよう出張アイテムが常備してあります。
このエピソード、ドタバタでとっても面白かったのでブログにも書いてます。よろしければご笑読ください。
佐賀リテンションセンター開設前夜
次は、私が佐賀をこよなく愛することになる始まりの出来事についてです。
おおよそ7年前のこと、月曜日の定例経営会議でのことでした。
その頃私たちは全てのアフター窓口を集約したリテンション活動を始める意思決定をし、それなりの規模感のコールセンターをどこで立ち上げるか、あらゆることを考慮し探しておりました。
そんな折社長から、ある会合で佐賀県知事から企業誘致を受けたと。
「中本、大田、早速見に行ってきてくれない?」
イエッサー。
我々は速やかに羽田へ向かいました。
大田は取締役営業本部長です。彼とのエピソードも以前に書かせていただきましたのでよろしければこちらも(第3回コラム)
佐賀に着いてからはセンターの候補地を視察したり、県と市の担当者の方から熱心に支援についてご説明をいただいたりと。
私は即決です。そう社長へ報告を入れ、はい即決。
「しっかり立ち上げ頼むぞ!」ついでに、5年間におよぶ佐賀通い生活も決まりました。
テレマの実演販売
1999年頃のお話です。
その当時私たちはあるCATVの運営会社からコールセンターの受託業務を受注すべく営業を掛けておりました。
甲斐あって先様の常務とお会いできる段となり、いつも以上に気合を入れて社長と一緒に営業へ。
ところがいざお会いしてみると先方は、営業は訪問営業こそが王道であるとお考え。
テレマーケティングという手法に”とっても”懐疑的でした。
手法そのものを疑われてはなかなか手ごわい営業になりますね。
ただ、オポチュニティは掴んでいたのです。
先様は既存のユーザーへ契約チャンネルやPPVコンテンツなどのクロスセルを狙っており、私達は絶対にお役に立てる自信がありました。
膠着を打ち破るべく、その時うちの社長はなんて言ったと思います?
「中本、お役に立てるかどうか、今ここで電話架けさせてもらったら?」
スーパートークが常務の心に刺さりました。私の心にも刺さりました。が、お陰でサクッと切り替えもできました。
今では個人情報の扱いポリシー上考えられませんが直ぐに顧客リストが用意され、いざテレマの実演販売のはじまりはじまりです。
役員室のビジネスフォンをお借りし、スクリプトを組み立てながらお客様とのセッションを開始。
30分くらい衆人環視の中で20件くらい電話を掛けてました。ふと横を見たら社長も電話掛けてました。
結果どうなったかと言えば・・・・・・
はい、めでたくその場で業務受託を申し付かりました。
さいごに・・・・・・
他にも過激なエピソードがたくさんあるのですが、守秘義務とかもありますのでこのあたりでおしまいです。
いかがでしたか?
もちろんスピード経営だけが全てとは思っておりません。
ただ弊社の場合は「チャンレンジして失敗しても非は問わない」という不文律があります。
ようするにリスクだなんだと考えているヒマがあったら、さっさと挑戦してさっさと失敗しろ。という風に私は捉えています。
「俺からスピードを取ったら何も無い」これがビジネスにおける私の座右の銘です。
ちなみに個人的な座右の銘は「努力に勝る天才なし」です。