ビジョンは2016年に東証一部上場を果たし、海外旅行者向け(訪日旅行者を含む)モバイルWi-FiルーターレンタルサービスのグローバルWiFi事業や、情報通信サービス事業、ともに更なる事業の拡大期にあります。
今後、ユーザーの問題解決のためにどのような進化を遂げるのか、グローバルWiFi事業部統轄 四条理氏に伺いました。
ビジネス系のインタビューライター。物語の持つ力を信じ、企業やヒトのバックストーリーを探求している。
愚直にユーザーニーズを汲み続けることが、リピート率の高さにつながる
―ビジョンの商材は、いずれもファン、リピーターの比率が非常に高いと伺っています。その理由はどういった点にあるとお考えですか?
単純なことです。愚直にお客様の声を拾い、解決に向けて愚直に努力を重ねていたからですね。
あくまでお客様の課題の解決が目的であって、その結果がリピートである、と認識しています。
ユーザーの声を聞き、対策を考え、サービスに落としていく……。言うは易し、行うは難しという言葉が思い浮かびますが、実際にどのようなサービスを提供されているのでしょうか。
たとえば、モバイルWi-Fiルーターの「グローバルWiFi」の場合、トラブル時のホットラインを設けています。
国際電話の料金が気になって現地からの問い合わせに躊躇してしまうケースはよくあると思いますが、通話料は弊社負担なので安心してご利用いただけます。
また、受け取り時の待ち時間を解消して欲しいという要望や、急な出張が入った場合でも手配の手間がはぶけるなどで、全社利用を推進したいといったニーズがありました。それらのニーズを汲み取り、受取・返却手続き不要の「グローバルWiFi for Biz」という法人向けのサービスも提供しています。
トラブル時のホットラインについては電話だけでなく、SkypeやLINEでもトラブル対応窓口を設けていて、緊急時には問い合わせが可能なのだとか。
ただでさえ不安な海外での滞在で、さまざまなチャネルを利用したサポート体制がしっかり整っているのはうれしいです。
法人向けの「グローバルWiFi for Biz」についても、待ち時間の解消や、従業員の申し込み忘れといった細かなニーズにまで応え、サービスまで落とし込こむとは、ユーザーの声に応える文化が徹底していますね。
LTEでの接続が提供対象地域のほとんどをカバーするまでは、「LTE対応」とは言わない
―お聞きしてきたような、「ユーザーのニーズに応える」という文化の根本にあるものは何なのでしょうか。
会社の根本に、「私たちはどなたからお金をいただいているのか? それはベンダーとユーザーの両方である」という考え方があります。
これは弊社が、情報通信サービスのディストリビューターであるという成り立ちが大きく影響しています。
弊社では、たとえばある国でLTE(高速通信の規格)での通信サービスを展開する場合、主要な場所での接続が少しでも確保できない場合は、LTEサービスを始めません。
もちろん、テストもきちんと現地で行なっています。
「それは当たり前では……?」なんて正直思ってしまったのですが、他社ではサービス内容にLTE対応国をうたっていながら、実際にはごく狭いエリアでしかWi-Fiが使えないという場合もあるそう。
ベンダー側の利益だけを追い求めた結果、そのようなことになってしまうのですね……。
「上辺だけの売り込みはしたくありません」「だからそういうものは世に出しません」と語る四条氏の力強い眼差しが印象的でした。
利用するに足るかはユーザーが判断すること
将来的には、年間のべ600万ユーザーを目指し、世界中の海外渡航者の皆様に必要とされるサービスにしたいですね。
利用するに足るかは最終的にお客様が決めることです。一人ひとり違ったニーズに、いかに合わせていけるかが、私たちのしていくことです。
ユーザーは現状でも100万人を超えているそうですが、法人利用も含め、もっとユーザー数を伸ばしていきたいとのこと。
通信環境というインフラをすでに提供できているビジョンであれば、実現できそうな気がします。
四条さん、本日はお話ありがとうございました。