• HOME
  • 世界の社窓から
  • 訪日外国人旅行者をもてなすコミュニケーションデザイン、未来に繋がるビジネスとは
201706.27

訪日外国人旅行者をもてなすコミュニケーションデザイン、未来に繋がるビジネスとは

ここ最近、マッチングサービスの中でも、仕事の分野に特化したマッチングサービスが、注目を集めています。

外国人採用のマッチングサービスやカジュアルな異業種交流のマッチングサービスなど、人との出会いの場が増えてきました。

ですが、見知らぬ土地へ行ってまで出会いを求めるのは、ちょっとハードルが高いかも。

今回は、そんな不安を解消してくれる、訪日外国人旅行者と日本人ガイドをマッチングさせるサービス「TOMODACHI GUIDE」を展開しているHuber.Inc の紀陸社長に、外国人客をもてなす「ガイド」の新しいスタイルについていろいろとうかがいました。

世界中に友達を一人でも増やしたいと思っている人のコミュニケーションデザイン

―「TOMODACHI GUIDE」がすごい! ってよく聞くんですけど、どんなサービスなんですか。

―紀陸
主に大学生がガイドをしています。

登録をしてくれた大学生が、ツアー内容(アクティビティ)を登録して、直接お客様から問い合わせがきます。

インターネットテクノロジーとクリエイティブを組み合わせて、コミュニケーションデザイン工夫し、ガイド経験がない一般の方でもカジュアルにガイドとして自立できる仕組み作りをしています。

登録をする学生は、やはり国際交流をしたい子ばかりだそうです。

目指しているのは、旅先での交流を望む人たちが集うコミュニティビジネス。

ガイドがゲストになって、ゲストがガイドになる世界をつくり、誰もが望めば、旅を通して世界中の人たちと友だちになれるサービスをつくっていきたいとのこと。

―紀陸
TOMODACHI GUIDEは、初めていく国、町でも、旅先に友だちがいる旅体験ができるサービスを目指しています。

旅前に旅行者の相談に乗るところから、ガイドとゲストの関係が始まります。

またゲストもガイドも海外旅行が大好きな人たちですから、ガイドをしていた学生たちが、友達になったゲストに会うために、海外旅行へ行くということが起きています。

そうやって、ゲストがガイドに、ガイドがゲストになる世界をつくっていく。それを日本からほどいて、その輪をどんどん海外に広げていきたいです。

ネットの中だけだったことが、リアルとネットを掛け合わせたコミュニケーションとなる。

旅をしたいと思った瞬間から旅をし終わったその後にまで領域を広げてトータルコミュニケーションデザインをつくる。

どういうふうに導いてきて、どう集め、どう導き、どう出会わせて、体験作りをさせるのか。

そのあとにどう展開をさせたら雪だるまのようにころがって行くのかということをひたすら解いていって更に面白いサービスの展開を考えているそうです。

なんだかありそうでなかったこのサービス。

海外からの訪問者が増えている今、海外の人にも海外の人と交流したい人にもニーズがある、まさにwinwinです。

いやー、面白いです。

余裕をもった合理的なおもてなしガイドでトラブル0件の実績

―その学生のガイドさんってどういったガイドをするんですか。

―紀陸
二人一組でガイドをする仕組みになっています。

一人では、作ったこともないツアープランなんてつくれないし、価格をきめるのも困るし、ニーズもわからないですからね。

しかも相手は3人とか複数名のお客様が多いです。

確かに、1人で応接してたら大変ですもんね……。

慣れない英語で案内する上に、地図などを見る時間も必要ですし。万が一の場合も、危険度も低くなりそうです。

―紀陸
我々が目指しているのは、遠くから自分を訪れてくれた友達をもてなすようなガイドサービスなんです。

誰だって、遠くから自分の町を訪れてくれた人には親切にしたくなりますよね。

これって世界中の誰もが共感できることだと思うんです。

旅先に友達がいるような旅ってありそうでないですよね。

誰も知らない土地にいくのではなく、友達が案内してくれる……と考えると、気持ちもだいぶ楽になりますよね。

海外で心細い経験をした人も多いと思います。聞けば聞くほど、感心してしまいます。

日本には必要な環境がなかった。だったら日本に外国の人がたくさんきてもらえばいいんだ

―とても興味深いです。ちなみに、なぜこのようなサービスをつくろうと思ったのでしょうか。

―紀陸
以前、バックパッカーをしていたんです。そのとき、いろいろな国の人と交流したのが楽しくて楽しくて。

ただ日本は島国だから、あまりそういった経験ってできないですよね。

そこで、日本という国の中で誰もが望めば国際交流ができる機会をつくりたいと思ったのが始めです。

そして、いろいろな会社に勤めたり、起業したりしている中で、数々の経験をし決め手になったことがあったとのこと。

―紀陸
それは、

〇革命的なテクノロジーとの出会い

〇人工知能(AI)の発展による社会現象

〇震災支援で経験した人の善意の連鎖

〇Airbnbとの出会い

です。

それぞれお話ししますね。

革命的なテクノロジーとの出会い

―紀陸
世の中を変えちゃうような革命的なテクノロジーに出会うたび、ワクワクが止まりませんでした。

気づいたらどんどん楽しくなって、想像が膨らんでいって、気づいたら随分詳しくなってましたね。

例えば、生態情報に関して言うと、脳波をセンシングすることで、人の喜怒哀楽などの感情をアウトプットさせてしまう・・・・・・

なんてテクノロジーにも衝撃を受けました。

主観を外にだすというとこの面白さに取り付かれましたね。

人工知能(AI)の発展による社会現象

―紀陸
特にAIやロボットなどのテクノロジーは大好きでしたが、知れば知るほど近い将来、人の仕事を奪っていってしまうと思うようになりました。

そしたらきっと仕事を奪われた人たちは、AIやロボットの介在できない世界を求めるんじゃないかと思ったんです。

クリエイティブなもの、人の感情や温もり、リアルな人との出会い。

だったらその最新のテクノロジーを駆使して、人と人の「最良の出会い」を実現していきたい。

そういう時代の、人の心のよりどころになるようなサービスをつくりたいと思ったのが大きかったですね。

震災支援で経験した人の善意の連鎖

―紀陸
震災直後、輪番停電で当時やっていた会社の仕事が全部吹っ飛びました。

自分の生活も不安でしたが、それ以上に困っている人たちがいるんだと思ったら、いてもたってもいられなくて、東北に通うようになりました。

炊き出しや側溝の泥の掻き出しから始まって、Yahoo! 復興デパートメントのローンチに協力したり、猪苗代でオートキャンプフェスのプロデュースしたりといろいろやりました。

善意が連鎖し、いろんな物事が考えられない速度で進んでいったことにとても感動したんです。

実はHuber.の主要メンバーの半分くらいは、その活動の中で出会った戦友だったりします。

人と人の出会いを、最新のIcTテクノロジーと、サービスデザインで最大化していけば、人の善意の連鎖を再現できるんじゃないかと思われたことが大きかったそうです。

Airbnbとの出会い

―紀陸
Airbnbに出会い、すごい感動したんです。

「なんだこれは」と・・・・・・

「キャッシュレス キャッシュファースト」ってやつです。

「キャッシュレス キャッシュファースト」というものは、モバイルが世の中に広まったからできるようになったんですよ。

お金の支払いのポイントをずらす、コミュニケーションの起点をずらす、それだけで、ボランティア活動にある心のキャッチボールの心地良さと、ビジネスの継続性を両立できていた。

すごいビジネスモデルだと思いました。

これの領域なら、自分がしたいと望んだ世界を実現できるかもしれない、そう思ったんです。

旅前から相談に乗って、信頼関係を築いて。「やっと会えたね!」で旅が始まる。

「君に出会えてよかった。最高の旅だった。今度、私の国にも遊びにきてくれよ。」と言われて、ハグをして別れる。

その時には友達として未来の話がされているのかと思うと、改めて素敵な出会いだなぁと感じました。

訪日外国人旅行者と日本人ガイドをマッチングさせるサービス。

人間の感情を埋め込んだクリエイティブ、新しい価値ですね。

ギブアンドテイクがこんなにも凄いと感じれるありそうでなかったサービスのお話に吸い込まれていました。

紀陸さん、お忙しいところありがとうございました。

FOLLOW

Morebizをフォロー

TAG CLOUD

タグクラウド