202003.06

非常時に「生き抜く力」を備えよう

支え合い、備え、いのちをつなぐ
『震災リゲインpress』 転載記事
32号 発行:2020年2月20日

非常時に「生き抜く力」を備えよう

いざというとき、自分で命を守る判断力・行動力を身につける

◎ 救助・支援到着までのサバイバル ◎  
大規模災害時に、私たちは発災直後の安全確保や避難行動だけでなく、必要な救助・支援を受けられる状態になるまで自力で生き抜く必要があります。すぐに環境の整った避難所や十分な物資に恵まれるとは限らず、いざというときに生き残る術(すべ)を最低限身につけておくことも大切。でも、千差万別な被災状況に対応できるスキルは、どうしたらを身につくのでしょう? 災害時に生き抜く力を学ぶ「72時間サバイバル教育協会」代表理事を務める片山誠さんはこう語ります。
「想定外の事態を乗り越えるには、サバイバルの知識だけでなく、自分の命を自分で守る判断力・行動力を身につけることが大切。スキル(できる力)とマインド(心構え)を体得することです」
 どういうことか、お話を聞き、考えてみました。

◎子どもたちにも生き抜く力を◎  
片山さんが力を入れる活動のひとつ、子どもたちへの防減災教育を例に考えてみましょう。ここでは8つのサバイバルプログラムとして、「助けを呼ぶ」「火起こし」「安全な水」「ナイフと道具」「シェルター」「食べもの」「応急手当」「チームワーク」が考案され、講習会も行われています。SOSを発する道具がなければ裏声で高い音を出す、ブルーシートで雨風をしのぐタープを張る、ナイフで道具を作ってみるなど、大切なのは智恵の引き出しを増やし、実行力を養うことで、これは大人も同様でしょう。
 ただ講習では「はっきりとした答えは教えない」そう。プログラムを書籍化した『もしときサバイバル術Jr.』でも、「誰かに習ったことよりも、自分で気付いたり発見したりしたことのほうが、ほんとうに使える知識やスキルに変わっていく」「やってみたからこそ、ほかにこんな方法もあるんじゃないか、とアイデアがわく」という言葉が印象的です。

◎それぞれに可能な自助・共助を目指す◎ 
 災害時に子どもたちが大人と一緒とは限らない。東日本大震災のボランティア活動でそれを実感したのが、片山さんがこの活動を始めたきっかけでした。「大人より柔軟で、かつ未来を背負う子どもたちこそ、こうした術を身につけてほしい」そうです。
 一方、私たち大人も、便利なモノにあふれる現代社会に順応してしまいがちとはいえ、自助・共助の力を各々が高めたいものです。「目指すのは、自分の身を自分で守れるようになり、ほかの人のことも守れるようになること」との片山さんの言葉を、子どもたちだけに任せるわけにははいきません。
 非常時の課題を想像し、そこで生き抜くのに役立つ知識を調べ、整理する。可能なら平時に自分なりの方法で実践してみるのも良いでしょう。関連書や防災訓練、アウトドアレジャーまで、私たちの「教材」は様々な場にあるのではないでしょうか。


第32号 は、他以下の取組みをご紹介しています。
一人ひとりの対策を
2面 ● 台風被害と支援制度の課題 (高齢社会/制度の適用基準)
3面 ● もしもの時の生活再建入門 ● ボランティア講座 ● 書評ほか 
4面 ● 人と復興・防災 ● 著書に聞く
続きはこちらからご覧ください。
記事:編集部 イラスト:飯川雄大 
震災リゲインプレスとは
震災にまつわる情報を、復興、支援、防災、減災、日常の備えなど様々は切り口でお届けするフリーペーパー。
「あなたにもできる」小さなアクションもご紹介します。
年4回、自身や災害について考え話し合う時間をもってもらうことが狙いです。
ビジョンは、「震災リゲインプラス」の協賛企業として、災害への備えを促進しています。
あなたの力を貸してください。震災リゲインNPO会員募集
NPO法人震災リゲインは、活動に賛同してくださる会員を募集しています。
会費は各地への「震災リゲインプレス」送料等に充当させていただき、会員の皆様にもお届けします。
周囲の人に手渡しで読んでもらうことで、みんなで災害への備えを促進し、復興過程の被災地を支える活動に繋げましょう。
震災復興・防災情報専門メディア 全国4万部配布
発行元:特定非営利活動法人 震災リゲイン 発行人:相澤久美 編集人:内田伸一
編集部:〒106-0044 東京都港区東麻布2-28-6 Tel:03-3584-3430 Fax:03-3560-2047

FOLLOW

Morebizをフォロー

TAG CLOUD

タグクラウド