『震災リゲインpress』 転載記事
32号 発行:2020年2月20日
非常時に「生き抜く力」を備えよう
いざというとき、自分で命を守る判断力・行動力を身につける
◎ 救助・支援到着までのサバイバル ◎
大規模災害時に、私たちは発災直後の安全確保や避難行動だけでなく、必要な救助・支援を受けられる状態になるまで自力で生き抜く必要があります。すぐに環境の整った避難所や十分な物資に恵まれるとは限らず、いざというときに生き残る術(すべ)を最低限身につけておくことも大切。でも、千差万別な被災状況に対応できるスキルは、どうしたらを身につくのでしょう? 災害時に生き抜く力を学ぶ「72時間サバイバル教育協会」代表理事を務める片山誠さんはこう語ります。
「想定外の事態を乗り越えるには、サバイバルの知識だけでなく、自分の命を自分で守る判断力・行動力を身につけることが大切。スキル(できる力)とマインド(心構え)を体得することです」
どういうことか、お話を聞き、考えてみました。
◎子どもたちにも生き抜く力を◎
片山さんが力を入れる活動のひとつ、子どもたちへの防減災教育を例に考えてみましょう。ここでは8つのサバイバルプログラムとして、「助けを呼ぶ」「火起こし」「安全な水」「ナイフと道具」「シェルター」「食べもの」「応急手当」「チームワーク」が考案され、講習会も行われています。SOSを発する道具がなければ裏声で高い音を出す、ブルーシートで雨風をしのぐタープを張る、ナイフで道具を作ってみるなど、大切なのは智恵の引き出しを増やし、実行力を養うことで、これは大人も同様でしょう。
ただ講習では「はっきりとした答えは教えない」そう。プログラムを書籍化した『もしときサバイバル術Jr.』でも、「誰かに習ったことよりも、自分で気付いたり発見したりしたことのほうが、ほんとうに使える知識やスキルに変わっていく」「やってみたからこそ、ほかにこんな方法もあるんじゃないか、とアイデアがわく」という言葉が印象的です。
◎それぞれに可能な自助・共助を目指す◎
災害時に子どもたちが大人と一緒とは限らない。東日本大震災のボランティア活動でそれを実感したのが、片山さんがこの活動を始めたきっかけでした。「大人より柔軟で、かつ未来を背負う子どもたちこそ、こうした術を身につけてほしい」そうです。
一方、私たち大人も、便利なモノにあふれる現代社会に順応してしまいがちとはいえ、自助・共助の力を各々が高めたいものです。「目指すのは、自分の身を自分で守れるようになり、ほかの人のことも守れるようになること」との片山さんの言葉を、子どもたちだけに任せるわけにははいきません。
非常時の課題を想像し、そこで生き抜くのに役立つ知識を調べ、整理する。可能なら平時に自分なりの方法で実践してみるのも良いでしょう。関連書や防災訓練、アウトドアレジャーまで、私たちの「教材」は様々な場にあるのではないでしょうか。
第32号 は、他以下の取組みをご紹介しています。
一人ひとりの対策を
2面 ● 台風被害と支援制度の課題 (高齢社会/制度の適用基準)
3面 ● もしもの時の生活再建入門 ● ボランティア講座 ● 書評ほか
4面 ● 人と復興・防災 ● 著書に聞く
続きはこちらからご覧ください。
記事:編集部 イラスト:飯川雄大
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