みちのく潮風トレイルを歩く 第8回
Walking on Michinoku Coastal Trail
「みちのく潮風トレイル(MCT)」は、2019年に誕生した長距離自然歩道/ロングトレイル。 青森県八戸市から福島県相馬市まで東北太平洋沿岸の1,000キロ超に及ぶ、自然と町を繋ぎ 「歩いて」旅をするための道です。東北の復興と振興を後押しするため環境省が敷設し、 4県28市町村、市民が協働しています。次代への願いが込められたこの道は、どんな風に 育っていくのでしょう? 実際に歩いたハイカーの声をお届けします。
今回のハイカー
山本純さん(埼玉県[歩いた当時は長野県])
出発地:2022年4月11日 福島県相馬市松川浦(南端)
到着地:2022年5月25日 青森県八戸市(北端)
歩き方:45日間かけて、1回で歩きました。
その後:信越トレイルクラブ主催のイベント「トレイル開き」の前夜祭にて、ゲストとして「みちのく潮風トレイル」を歩いたときのことを発表しました。
なぜ歩いたか
前職の頃からトレイルに関わる仕事をしていて、「みちのく潮風トレイル」については知っていました。また、父が青森の出身なこともあり東北には小さいころから馴染みがあり、いつか東北をしっかりと旅してみたいと思っていました。そんななかで、思いがけず現在の仕事に就く前に時間をいただき、「こんなに長い距離を果たして最後まで歩き通せるのだろうか」と不安な気持ちを持ちつつ歩くことを決めました。マップブックやデータブックとにらめっこしながら自分なりに歩く計画を立てていたことがつい昨日のように感じます。
歩いている間に印象に残った事
長期間歩いた経験がなく心配性な私は持っていくものの選別があまりうまくできず、荷物がかなり重くなってしまいました。そのため、アスファルトや靴のソールの硬さと相まってマメができてしまい、なかなか歩くことに馴染めずにいました。でも、毎日続けていくなかで少しずつ自分のペースが掴めてきて、自然や地域の持つ雰囲気を少しずつ楽しめるようになってきました。なかでも海の青さにずっと驚かされていました。特に三陸海岸に入ってからは北に進むにつれてより色が鮮やかになっていって、天気の良い昼下がりに海沿いを歩いているとこのままずっと歩いていたい気持ちに何度もなりました。また、歩きながら地形の移り変わりを体感することができたこともとても印象に残っています。特に「海のアルプス」と呼ばれる区間は噂には聞いていましたが、1日の中で目まぐるしく道の様子が変わっていきました。体力的にはハードでしたが、楽しみながら歩けた区間でした。
歩き終わって何を想う
歩き始める前は「自分は歩いている時に何を考えるのかな?」と思っていましたが、実際に歩き始めると無心になっている時間が思ったよりも多かったように思えます。それは歩くことに対しての自分の経験値に乏しかったことが大きかったように思います。でも、ただ無心になっていくのではなく、自分の周りにあるものを受け入れるために自然とそうなっていったのかなと今では思います。その日・その時間にその道を通らなければできなかった経験も幾度となくあり、自分の行動がどこに繋がっていくかわからないので、もっと目の前にあることを大切にしていかなければと感じました。
❶休憩で振り返ると…(岩手県下閉伊郡普代村)
❷桜前線と共に(福島県相馬市・相馬中村神社)
❸山間の集落を歩く(宮城県本吉郡南三陸町入谷)
❹なかなかのサイズのホタテ(岩手県陸前高田市・黒崎仙峡温泉)
❺快晴の大須賀海岸(青森県八戸市)
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