緊急時の「水の備え」は大丈夫?
災害発生時などには、ライフラインの復旧を待ちながら暮らす必要が生じる場合があります。その際、特に大切なもののひとつが水。用途別にその備えを考えておきましょう。
文=内田伸一 イラスト=飯川雄大
飲料水(調理用水ふくむ)
自宅でライフラインの復旧を待つことも
大きな地震などが起きると、水道や下水道施設が被災し、水が出ない、トイレが使えないなどの事態が予想されます。そのさい、自宅でライフラインの復旧を待つ際の備えについても考えておきましょう。
体内摂取用には大人1人あたり9リットルの備蓄を
災害時に備蓄が必要な飲料水・調理用水の量は、大人1人あたり1日3リットルで、その3日分=9リットルが目安とされます。ペットボトル入り飲料水などで備蓄しておくと安心です。水道水を保存する場合、清潔で蓋のできる容器に入れ、使用期限の目安を知っておきましょう。例えば東京都水道局ホームページでは、これを常温で3日程度、冷蔵で7日程度としています。
そのまま飲むほかに、調理にも
備蓄飲料水は、煮炊きや汁物、保存食などに「材料としての水」として使うことも想定します。他方、レトルト食品の加熱のみに使う水などは、体に取り入れる水とは分けて考えましょう。節水できる「ポリ袋調理法」なども知っておくと役立ちそうです。
その他の生活用水
「お風呂にためた水を使う」ときの注意点
日常生活では、トイレや手洗い、お風呂にも多量の水を用いています。そうした生活用水や万一の消化用などに「お風呂にためた水を使う」対策もよく言われてきました。ただ、浴槽の残り水は時間と共に細菌が発生しやすく、また災害時は水道の配管破損も起き得るため、トイレなどに大量の水を流すのはトラブルのもとになるとの指摘もあります。状況に応じた活用が必要でしょう。
水を使わない代替案を備えておく
他方、携帯トイレや、除菌ウェットシート、マウスウォッシュ、ドライシャンプーなどを備えておけば、緊急時には生活用水を使わずに代替できます。平時に試せるものは実際に購入して使ってみるなどして、自分に合うものをひととおり揃えておくと安心です。
ポリタンクなどでの備蓄
清潔なポリ容器などに水道水を保存して使う方法もあります。常備する場合は、定期的に中身を使って入れ替えるなどの工夫をしましょう。
保管の仕方は?
使う場所・わかりやすい場所
開封前のペットボトル入り飲料水は常温で保存できるため、災害時の備蓄品をまとめたわかりやすい収納場所や、または台所などふだん使う場所に保管しておくのもよいでしょう。また、ふだんからウォーターサーバーを使っている場合、ペットボトルよりも省スペースで水を保管できるという利点もあります。
1か所よりも、分散配置を
大災害時は、家の中もどんな被害を受けるか予測できません。備蓄水は1か所のみにまとめるよりも、いくつかの部屋に分散できるとよいでしょう。近場のトランクルームを利用している場合などは、そこにも置けると、いざという際に役立つ可能性があります。
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