202009.15

あらためて考えたい「早めの避難」

支え合い、備え、いのちをつなぐ
『震災リゲインpress』 転載記事
34号 発行:2020年8月20日

あらためて考えたい「早めの避難」

<記事:関口威人 イラスト:飯川雄大>

今年も九州をはじめ、各地で大きな水害が起こっています。命を守るために、「早めの避難」をあらためて考えてみましょう。

◎ まずはハザードマップの確認 ◎
「早め」を突き詰めれば、そもそも災害リスクのある場所に住まない、行かないということになります。しかし、生活や経済活動を営む上で、すべての人にそれを求めるのは無理でしょうし、日本に住んでいる以上、ゼロリスクで絶対安全な場所はないと言えます。
であれば、まずは自分の家や職場などがどんな災害リスクのある場所かを、ハザードマップで確認しておくことです。ハザードマップは各自治体が印刷物の形で発行していたり、ホームページでデータを公開したりしています。国土交通省が運用する「ハザードマップポータルサイト」では、住所を入力して地図を表示し、洪水発生時の浸水想定区域や土砂災害の危険度を色分け表示で確認可能。さらには指定緊急避難場所の位置も重ね合わせて見ることができます。
ただし、危険度を示す色が塗られていないところでも、周りと比べて低い土地や崖のそばなどに住んでいるならば、自分たちなりの避難を想定しましょう。

◎ 原則は「自宅の外」に避難 ◎
いつ起こるか分からない地震に比べれば、水害の場合はある程度、事前の情報が得られます。普段の天気予報に加えて、雨雲の動きや台風の進路予報……。気象庁は警報級の気象現象が5日先までに起こると予想されているときには、その可能性を「早期注意情報」として出し、週間天気予報と合わせて発表します。近年は台風が日本列島に近づくと、その中心から離れたところで数日前から豪雨が降り続くことも。心構えも含めて「早め早め」の備えを意識したいものです。
実際に災害の危険性が迫ってきたら、自治体の出す情報を確認しながら行動を始めましょう。
内閣府がまとめた「避難行動判定フロー」によれば、原則として「自宅の外に避難」が必要です。ただし「例外」として、浸水の危険があっても①洪水により家屋が倒壊又は崩落してしまうおそれの高い区域の外側である ②浸水する深さよりも高いところにいる ③浸水しても水がひくまで我慢できる、水・食糧などの備えが十分にある――ときはその場や自宅にとどまり、最大限に安全確保ができるという考えです。

◎「2階避難」では安心できない◎
近年、避難所への移動時に犠牲者を出さないため、自宅やマンションの上階に移動する「垂直避難」の考えが強調されるようになりました。テレビでも「外に出るのが危険な状況の方は、2階以上に避難を」などの呼び掛けが増えています。
しかし、これを「2階にさえ行けばいい」というメッセージと受け止め、そこに2階以上の浸水が来たら被災してしまいます。特に、近年の異常な降雨や増水でそうしたリスクは高まっているとして、呼び掛け方を見直すべきだと複数の研究者、専門家が指摘しています。
水害リスクがあるところでは、明るいうちに少しでも高台の避難場所や避難所、あるいは安全な場所にある親戚や知人宅に身を寄せる。その判断こそが「早めの避難」の肝だと言えるでしょう。

【参考】
ハザードマップポータルサイト(国土交通省)
https://disaportal.gsi.go.jp/
避難行動判定フローと避難情報のポイント(内閣府)
http://www.bousai.go.jp/fusuigai/typhoonworking/pdf/houkoku/campaign.pdf


第34号 は、他以下の取組みをご紹介しています。
災害避難のABC
2面 ● 新型コロナウイルス感染症に対する避難所のつくりかた
3面 ● もしものときの生活再建入門 ● 書評ほか
4面 ● 多言語対応 ● 災害時に便利なアプリとサイト
続きはこちらからご覧ください。
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